パリのオペラ座

今から20年ほど前、東京でパティシエとして働いていた私は、洋菓子が生まれ愛される国を知りたいという思いから、1年間のフランス留学を決めました。

初めてのパリ

フランス語もほとんど分からない状態で降り立ったパリ。

語学学校に通いながら、毎日街の中を歩き回りました。

エッフェル塔、凱旋門、ルーブル美術館、モンマルトル、ノートルダム大聖堂など有名な場所も、石畳の小道や路地も、公園や石壁も、とにかくいろんな場所を見て回る日々。

何もかもが新鮮で、でも言葉が話せないことで悔しい思いをしたり、地下鉄など思っていたイメージよりもずっと汚いことに驚いたり・・・、当時は道にも犬のフンがたくさん転がっていて、景色に見とれてばかりはいられない、というのも今となってはいい思い出です。

オペラ座の思い出

中でも、パリのオペラ座のある界隈は日本食材を売っている商店や日本の書店などがあり、アパートの賃貸やリサイクル品などの掲示板を見にいったりと、観光以外でもよく立ち寄る場所でした。

メトロのオペラ駅の階段を登ると、真正面にオペラ座が見える光景。

圧倒的な存在感と、繊細な装飾が街の一部になって浮いていないのもまたパリだなぁという感じで、貧乏学生には到底縁がない場所と思いながら遠目に眺めていました。

オペラ座での観劇

フランスで1年間の留学生活を送る中で、「もっと長くフランスで暮らして学んだり働いたりしてみたい」という思いが強くなった私は、日本に帰国してから3年間資金を貯め、再びフランスへ向かいました。

生活の拠点として選んだのは、マルセイユ。

パリは美しく刺激的な街でしたが、観光客も多く、パリでの人間関係にも違和感を覚えていた私は、南仏を旅した際に魅力を感じたマルセイユで少し腰を据えて生活をすることにしました。

マルセイユでの生活も2年が過ぎた頃、日本から叔父が遊びに来てくれることになりました。
ちょうどドイツでサッカーのW杯が開催された年で、お友達グループとW杯観戦ツアーに参加した後ひとりで抜けて、フランスに寄ってくれるという話になったのです。

ドイツからパリのシャルル・ド・ゴールに降り立ち、パリ、リヨン、南仏を観光する1週間ほどの滞在の予定を立てるに当たって、叔父からリクエストされたのが「オペラ・ガルニエでの観劇」でした。

パリに住んでいた時に何度も遠目から眺めたオペラ座の中に入るという機会が、こうして訪れたのです。

オペラ座のチケット

それまで、オペラ座でオペラを鑑賞するという考えが全くなかった私でしたが、叔父の以来でオペラ座のHPでチケットを購入することになりました。

荘厳な雰囲気から、「オペラ座でオペラを鑑賞するなんて、お金持ちだけにしかできないセレブな芸術」と勝手に思い込んでいましたが、実際にチケットを見てみると、座席別に値段はピンキリで、28歳以下の若者割引があったりもし、2000円くらいから購入することができます(高い席だと2万円弱とかしますが)。

フランスでは映画も700円とかで観ることができるのですが、芸術は高いお金を払わなくても体験することができるのはさすが芸術の国だなぁと思いました。

とはいえ、せっかく楽しみにやってくる叔父のため、一番良い席を予約しました。

いざオペラ座へ

当時、マルセイユで質素な暮らしをしていた私は、オペラを観に行くようなキレイな服を持っていませんでした(苦笑)。

なので、慌てて小ぎれいなワンピースを購入し、パリへ向かいました。

いよいよ当日、オペラ座の前に立ち、いよいよ中へ・・・という時には本当にワクワクしました。
外観も荘厳できらびやかなオペラ座ですが、入り口から中に入った時にはその美しさに思わず背筋が伸びたほど。

あまりのスケールに圧倒されて、あまりはっきりと覚えていないのが残念ですが・・・、座席もアンティークみたいで素敵で、一番印象に残っているのは、シャガールの天井画。

本当に、単にオペラを鑑賞するだけでは勿体無い、すごい建築と装飾でした。

叔父さんの滞在スケジュールの関係で、残念ながら古典的なオペラを鑑賞することは叶わず、コンテンポラリーなバレエだったのですが、その場にいられるというだけで満足できる素敵な数時間でした。

またいつか・・・

叔父とのオペラ観劇後、さらに5年ほどマルセイユで暮らした私は、2011年に日本に帰国しました。

その後結婚し、子供が産まれ、友達がたくさんいるフランスにももう6年くらい行けていません。
また次にいつ行けるのかも今は分かりませんが、もう少し子供が大きくなって、時間にも余裕ができたら、フランスに一緒に行きたいな・・・と思っています。

そして、またパリに行けたら、オペラ座でオペラを観てみたいな・・・と思います。

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